2026年1月26日月曜日

ラインの黄金

政治の世界が騒がしい。解散ボタンは総理大臣の執務室に設置してはならない、設置するなら富士山よりも高い場所にすべしと一級建築士の奥義の巻物に明記しておいてほしいものだ。そもそも政治家はラインの黄金の存在を信じる人たちだから、錯覚であれ黄金の光がかすかにでもちらつくと騒がしくなるのは致し方ないのかもしれないが。

一昨日、ワーグナーの「ラインの黄金」鑑賞会を盛大に、ではなくごくごく少人数で行った。アルベリヒの呪い、ローゲの寸鉄が鋭く尖った。二次会で話題になったのだが、新国立劇場での新作プロダクションはぜひテレビ放映してほしいものだ。WOWOWはメトロポリタン歌劇場のライブビューイングを全部ではないがいくつか選んで放送しており、新作は積極的に取り上げている。NHKも(民放でもいいが)新国立劇場の新たな成果を紹介する労の価値を検討してほしいものだ。

夢野久作の時代小説五篇を集めた『妖刀地獄』(河出文庫)をいま読んでいる。その中の一篇「名君忠之」に「……天下の勢を引き受けて一戦してみようと仰られる事は必定じゃ。大体、主君の御不満の底にはソレが蟠まっておるでのう。その武勇の御望みが、御一代押え通せるか、通せぬかが当藩の運命のわかれ道……」という一節があった。なんだか焦ったい気がしないでもないが、そのような処世の思考法もあるのかと学んだことだった。

(池田康)

2026年1月20日火曜日

壁画15号

個人誌「壁画」15号を制作した。下記リンクからご覧ください。

https://www.kozui.net/artnote/hekiga/hekiga15.pdf


ついでに。

日曜日には、みらいらんの表紙の画像オブジェでお世話になっている豊田洋次さんの参加する現代美術の展覧会「知の実験場」(立川の国営昭和記念公園・花みどり文化センター)に行った。良い日和で、たくさんの人が公園に集まっていた。刺激のある美術作品が広いスペースに散らばっていて、スペース込みで楽しめる。豊田さんの作品は「われるそら」、銀の本体に思い切って色のついた背景を加えたと語っていた。色は氏にとって高いハードルらしい。会期は2月1日まで。

八王子経由で行ったのだが、八王子駅の中央線のホームで快速電車を待っていると、機関車ブルーサンダーが十数台の石油タンク車を牽引してきて、通過するのかと思ったら、大きな音を立ててすぐ目の前に停車したのには、何事かと、突如オバケが現れたような感じがして驚いた。

(池田康)

2026年1月11日日曜日

虚の筏37号

 「虚の筏」37号が完成した。

https://www.kozui.net/soranoikada37.pdf

参加者は、生野毅、伊武トーマ、酒井直子、久野雅幸、神泉薫、平井達也の皆さんと、小生。

上のリンクからご覧ください。


それから、追加情報として。

「みらいらん」で音楽ページを連載してくださっている伊藤祐二さんの奥様のピアニスト・井上郷子さんのリサイタルのお知らせが届いた。3月1日で、詳細は下記の通り。



(池田康)

2026年1月7日水曜日

正月の過ごし方

 今年の正月はそれらしいことを特にせずに過ごすかと思っていたが、大晦日にスーパーマーケットに行ったらいろいろ売っていたので、黒豆やニシンの昆布巻きや餅をついつい買ってしまった。それでなんとなく正月気分に染まる。仕事を離れて、映画を見たり、散歩をしたり。岬多可子さんは毎年年初めに合わせて小詩集の冊子を作られるようで、今年も年賀状がわりのそれが届けられた。掌詩集『草の日月』。その中から一篇「燎原」を紹介したい。


往きたい

けれど 往けない 隧道の

入口 その上からも

野そのものの

野が垂れて


葛の荒れ

むらさき色に香る発火を

数えるより早く

蔓は獣の力だ

足首を搦め捕られる


燃えひろがる

かぎりのなさに

ほんすじも えだみちも

とうに呑みこまれ


はるか遠く 奥のほう

焔の色が 揺れ

たおれるすがたが

ひとのかたちに似ている


(池田康)

2026年1月1日木曜日

洪水企画の新しいブログを開始します

 洪水企画のブログを引っ越しして再開します。

「みらいらん」17号は概ね好評のようだ。特集「ニーベルングの指環」、そして栩木伸明さんインタビュー「ポール・サイモンを聴く/読む」、どちらも楽しんでいただけると嬉しい。

1箇所訂正を。特集でバーナード・ショーの言葉を紹介したところで、書名が間違っていた。正しくは『完全なるワーグナー主義者』(新書館)。お詫びして訂正いたします。

今号から表紙のオブジェ画像が豊田洋次さんの彫刻作品となったが、その豊田さんが参加する展覧会が1月9日から始まるので案内をご覧いただきます。



また美術のページを担当している土渕信彦さんの京都の画廊「ギャラリー点」(京都市東山区石泉院町405番地2、https://galleryten-kyoto.com)の新しい展示企画の案内が来ているのでそれもここに出します。



連載エッセイ執筆者の林浩平さんの講座「吉増剛造ルネサンス─未来の詩として吉増剛造を読む─」の案内のサイトです。

https://note.com/1970suntower/n/n3e59c2915c59



それからやはり連載エッセイ執筆者であるAyuoさんが今月24日に演奏会を行うそうです。下記の通りです。



24日には洪水企画の「ニーベルングの指環」鑑賞会も予定されています。詳しくは「みらいらん」17号83ページをご覧下さい。



それでは今年2026年もよろしくお願いいたします。

(池田)